才能、運、努力の掛け算
前回の記事で、「地頭には個人差がある」と言いました。
「地頭」は、持って生まれた知能ですから「才能」ということになりますね。「運」という意味合いも含んでいるとは思うのですが、この場合は才能ということにしておきましょう。
では、「運」とは?
これも色々あるとは思うのですが、私は以下の三つが大きいかなと思います。
一つ目は、「金銭的運」。金銭的に恵まれた環境かどうか。食べ物にも困るようだったり、貧しさで夫婦げんかが絶えないような家庭なら脳の成長にも影響すると思います。そこまで極端じゃなくても、例えば子供時代に本を買ってもらえるかどうかとか、小学生になって習い事などをさせてもらえるかどうかとかも脳の成長を左右すると思います。その点からいうと、塾に通うお金を出してもらっている生徒たちは「運」に関しては5段階でいうと確実に3以上だと思って良いのではないでしょうか。
ただし、勘違いしないでくださいね!「かけたお金」=「上がる学力」ではありませんからね!(詳しくは、「月謝で点数は買えない」へ)
二つ目は、「家庭的運」。生まれてから今までに親がどうやって育ててくれたか。ちょっと「才能」の部分とかぶってしまうかもしれませんが、幼児期にお母さんがどれだけ子供と会話をして言葉を教えてくれたかどうかとか、どれだけ本を読んでくれたかとか。あと、どれだけきちんと躾をしたかも重要ですね。食事の時に箸は正しく持つように、姿勢は正しくするようにという教育をしたかどうか。靴は毎回そろえなさいと口うるさく言ったかどうか。(これについては、「子どもの最初の先生は親」へ)。
三つめは、「環境的運」。これは自分たちではどうしようもないことも含まれます。例えばおじいちゃんおばあちゃんと同居しているため、難しい慣用句なども知ることができたなど。あるいはおじいちゃんおばあちゃんがものすごい田舎に住んでいて、夏休み等は親元を離れて自然の中でのびのびと遊べたなど。身近なところだと、たまたま近所に良い習い事教室があって反復練習することの大切さを学べたとか、小学校の先生がどの教科もとっても授業が上手でいろんなことに興味が持てたとか。(先生がいくら素晴らしい授業をしてもその価値を理解できない親子もいます。詳しくは、先生たちは催眠術師ではないへ)
「努力」については説明するまでもありませんね。いかに頑張れるかです。これも「才能」といえばそうなのですが・・・
これらの三つ「才能、運、努力」を五段階にしてみて掛け算をすればだいたい今の学力と合致します。別に10段階でも100点満点方式でもかまいません。
たとえばうちの卒業生で北大に現役合格した子は、才能5×運4×努力4の80点。
逆に才能は3しかなくても、才能3×運4×努力5の60点で偏差値60の高校に推薦合格、そこから公立大学に進学したという子もいます。
才能が5でも、才能5×運3×努力2という子もいました。そうすると、せっかく才能があっても、ボーダーフリーに近い私立大学にしか行けなかったりします。
残念ながら、才能1×運3×努力1という子もいました。才能に関しては、本人も塾も変えることはできません。でも、努力に関しては自分次第で変えることは可能です。
私は常に、「生徒本人が持つ実力以上まで伸ばす」ことを目標にして教えています。わかりやすい授業をするのはもちろんのこと、たとえ嫌われてでも絶対に努力を怠らないように言い続けています。
保護者の皆さんは、塾にお金さえ払えば子供は魔法にかかったように勉強すると思い込んでいませんか?(くわしくは「先生たちは催眠術師ではない」へ)
そう思ってしまっていた方は、まずその考えを改めて子供を応援してください。
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