「塾」を「料理教室」に例えてみよう
塾に行きさえすれば成績が上がると思っているすべての保護者とお子様へ
塾に行くだけではできるようにはなりませんよ!
料理教室に通うだけで一流の料理人にはなれないのと一緒です。
目の前に「料理の鉄人」(ちょっと古いなぁ・・)が来て、ものすごくわかりやすく料理のコツや知識を教えてくれたとします。
それだけで、あなたのお子さんは超一流の料理人になれますか?
なれるわけないですよね?
そんな簡単なこともわからずに、「なんでお金を払っているのにできるようにならないんだ!」って言ってくるような人たちは、そんな親の子だからできないのです。
例えば、子どもが生まれてからずっと親が料理をする姿も見せず、インスタント食品やファストフードだけで育てていたとします。それって、勉強でいうと親が新聞も読まない、読書もしない、ニュースも見ない環境で育てるのと一緒です。
料理に慣れ親しむ環境にもなく、まともな味覚も育っていない子を一流の料理人にしろというのは無理があるでしょう?本当に超一流の料理人にしたいのなら、小さいころから食べさせるものが違うはずです。色々なものを食べ歩きもするでしょう?勉強でいうなら、小さいころから一緒に見るテレビ番組を厳選し、あちこちの博物館や歴史的建造物を巡るようなものです。
料理の鉄人が、その料理の歴史や作る際のポイントを話したとしても一瞬で頭に記憶はできないですよね?当然、メモをとって一生懸命に覚えなくてはなりません。勉強だって、ノートをとってそれを見直さなければ覚えられません。
鉄人が、簡単そうに食材をカットして煮たり炒めたりするのも見ていただけで同じようにできますか?できないですよね。実際に自分でカットしてみたら全然違う代物になるし、火加減だって全く違うかもしれません。だからこそ、何千回と練習を重ねるのです。自分の手を動かして、自分のものにするまでは鍛錬するしかないのです。勉強でいうと、何度も漢字や計算の特訓をする、実際に問題を解いてみる、など地道な練習の積み重ねです。
料理なら包丁の持ち方から練習しますよね?勉強だって鉛筆の持ち方から練習するのです。えんぴつもまともにもてないまま15歳になってしまった子に、短期間で結果を出せと言われても困ります。
10年位前までは、塾での指導がめちゃくちゃ厳しくても辞めるような子は少なかったです。だから、成績の悪い子でも頑張っているうちに少しずつ良くなってきました。職人の世界でもそうじゃないでしょうか。包丁の背で手を叩かれて泣きながら覚えたと聞きます。今はそういうことはすべてパワハラと言われるので、褒められる要素がある子だけが褒められて伸びます。褒められるところが無くて、怒られるまでやらないような子は褒められないし怒られないからやりません。
これは、別に料理教室じゃなくても同じだと思います。美容学校でも、ピアノ教室でもみんな同じことが言えるのではないでしょうか。
「教えてもらう」だけだは、「できる」ようにはならないのです。
できるようになるには、自分がやるしかないんです。
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