学力が高い子が育った環境

 20年以上、塾や家庭教師で子供たちを見ています。長年の経験から、学力の高い子と低い子では育つ環境に大きな違いがあるなあと感じます。

 「才能、運、努力」の話をしましたが、「才能」ある子(勉強でいうと知能の高い子)は親も知能が高い場合が多いので、育て方にもだいぶ差が出るように思います。子供の学力については「育つ環境」の方が大事な気がします。当然、知能の高い親が育てる方が良い環境である確率は高くなるので子供の学力も高いのかなと。そういう確率が高いだけで、必ずしもそういうことではないですが。

 育てる環境がどう違うかというと、普段の生活の何気ないものが色々と違うと思います。子供に与える本の内容だったり、普段見ているテレビ番組だったり、家族でする会話の内容だったり。そういうすべてが違って見えます。ネット社会とはいえ、毎日新聞やニュース番組を見るのが当たり前の家で育つのと、親も子もそれぞれにスマホやタブレットで動画やゲームを見るだけの家で育つのと同じ学力になるわけがありませんよね。

 子供を連れていく場所も違うし、会話も違います。学力の低い子の家庭では、お出かけと言えば、買い物に行くか好きなものを食べに行くだけ。せっかくキャンプや温泉旅行に行くことがあったとしても、子どもたちは車中で寝ているかゲームをしているかで外の景色を見ることもありません。親に連れていかれてるだけという感じ。だから、「どこに行ってきたの?」と聞いても「海」とか「温泉」とかしか答えられません。地名も知らないし、どこに行ったのかなんて興味もないからです。それに比べて、学力の高い子の両親は「どこに行くか」という段階から子供に意見を求めたり調べさせたりします。車内でも、「もう麦畑が黄金色だねえ」、「田植えしてるねえ」、「夕日がきれいだねえ」、「この街は〇〇が美味しくて有名なんだよ」など、会話の中に学びがしっかりとあります。土産を買う場合でも、自分のお小遣いから出させるし選ぶものにはあまり口出ししません。考えて選ぶ気持ちを尊重してます。そういう子は、帰ってきてからお土産を渡すときにも、いつどこにいってどんなものを見てきたのかをしっかり語ってくれます。

 東京に行くとしても、学力の低い子の家はディズニーランドの一択。それに比べて学力の高い子たちは、行く度に違うところを訪れています。もちろんディズニーにも行きますが、あくまで観光の一つとして。学力の高い子は、親の所得が高い場合が多いので何度も行けてしまうし、親の知識が広いから子供も見聞を広げられますよね。好循環ですね。

 千歳市には、新千歳空港の目の前に住んでいながら一度も飛行機に乗ったことのない子が結構いますし、道内ですらどこにも旅行なんて行ったことがない子もけっこういます。あちこちに旅行に行ける子たちに比べたら、確かにハンデかも知れません。

 けれども!!お金をかけなくても子どもの見聞を広げられることってたくさんあると思うんですよ。家庭菜園をやってみるのもいいし、お菓子作りだっていい。近場にドライブして日帰り旅行を楽しんだっていい。これだけ素晴らしい自然に囲まれた北海道です。すぐ近くにだって素晴らしいものがたくさんありますよ。日本有数の透明度を誇る支笏湖だって美しいし、学べることもたくさんあります。

 私が言いたいのは、子どもが学べる「環境」は親が多少は変えてあげられるということ。たとえ高所得、高学歴じゃなくても、親が意識を変えれば子供も変わるチャンスはあるということです。


アクティブ スタディ

北海道千歳市にある高校受験のエキスパート ~アクティブ・スタディ~

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